中小企業で自社システム開発すると管理者がタヒぬ

マインド

中小企業のシステム管理者は専門家か?

当たり前の話ですが、中小企業で

「君、パソコン得意だったろ。社内の情報管理システム作り直してくれないか?」

という鶴の一声で、システム管理者になった人は多いと思います。

しかし、こういった人が専門家であった試しはありませんし、その後に頼りになるシステム管理者になれたという話も聞きません。

なぜなら、多くのシステム管理者は、ド素人もいいところで、パソコンいじりが多少得意というレベルでしかありません。人事考査の折に、ちょっとばかり大学時代にブログアフィリエイトをやっていたことをさもそれらしく話したのがいけなかったのか。

そんなあなたが、何冊かデータベースの本を読んだくらいで会社の情報システムを作れるようになるなら、ITベンダーなどこの世に存在しないでしょう。

もし、あなたがここに書いているような立場でこのブログを読んでいるなら、真剣に聞いてください。

「上司の言葉を真に受けて、自分で社内システムを作ろうなんて思ってはいけない。」

3足のわらじを履く覚悟はあるか

あなたには、本業があるはずです。

営業なのか、品質管理なのか、細かいことは知りませんけど、少なくとも情報管理システムを作るのがあなたの本業ではないことは間違いないのではないですか?

情報管理システムを作る仕事に携わるということは、本来専業でないとできないことです。

システム開発と私生活の2足のわらじでもとても大変です。

それを本業まで併せて、3足のわらじを履こうというのです。

辞令を受けてしまったから、もう決定事項だから・・・いろいろな思いがあるでしょうけれど、やるのであれば、次のことは知っておいてください。

  • システムが完成しなかったら、あなたは人事考査で非常に悪い評価を受ける
  • 今後の大きな出世はありえない
  • 仮に成功しても手柄は上司のものにされる
  • プライベートが無くなる
  • 本業+システム既発+寝る時間=24時間でも足りないかもしれない
  • 週休が実質的にはなくなる

サンプルソースを探すな。真の作り方を探せ。

こういう状況になると、ネット上に似たようなプログラムがあるかもしれないから、それを探してパクったらいいのではないか・・・と考えることがあります。

システム開発の一番大事な要件は、前にも書きましたが「プログラムに慣れる」ことです。

真似ることで目的が達せられるなら、もちろんそれは非常に有効な近道でしょう。

しかし、そんな簡単な答えがその辺に転がっているものでしょうか?

答えはNOです。

いろいろな業務システムのサンプルコードというものがネット上に存在しますが、どれひとつとってもまともに動くものはありません。

いや、正確にはダウンロードしてすぐのプログラムは動くものもあるでしょう。

ただ、ほんのちょっとどこかを構うとすぐ動かなくなってしまうのです。

あなたには、これがなぜだかわかるでしょうか?

まず、第一にタダで教えるものには責任が伴わないからです。

第二に、そのプログラムを作った人によって、プログラムの作り方が違うからです。

自分で勉強すれば、いつかは理解できるようになるとサンプルコードの提供者は言います。

でもそれはいつですか?1年後ですか、5年後ですか・・・。そんな先にモノになってもあなたの立場を良くすることには何の役にも立たないでしょう。

システム開発をするときには、必ず「いつまで」に作らなくてはいけないと言われるはずです。

期限だけは一丁前に決めてくるのが上役だからです。

システム開発の勉強で半年かかって、実際のシステムを作るのにさらに半年、使う人の意見を聞きながら直したり、追加したりでさらに半年、なんやかんやで何とか動くようになるまでにトータルで2年かかるとしたら・・・。

その間、あなたは本業に集中できないことで達成できないノルマに関して、上司からネチネチ文句を言われるのに耐えられますか?

つまり、ここで伝えたいのは、ネット上のサンプルソースを探してもなんの問題解決にもならない/無駄だ、ということです。

耳聞こえのよい「わかりやすく簡単にシステム開発ができる方法を教えます」なんていう触れ込みの記事や動画はネットで探せば、山ほどでてきますが、ほとんど使い物にならないゴミばかりだと言っていいでしょう。

だって彼らは、実際に自分たちが売っているシステムの情報は教えてくれないでしょう?

完成するまで付き添ってはくれないでしょう?

無料のものには無料のクオリティしかない

「試してみないと使えるシステムかどうかはわからない」と多くの人が言います。

この意見は、間違いではないかもしれませんが、正解とも言えません。

「試す」とはどういったことをいうと思いますか?

あなたの実現したい情報管理システムを1から100まで網羅する機能が付いているかどうかが分からなければ、試したことにはならないのではないでしょうか?

そんなことが可能だと思いますか?

最初からあなたの会社の業務に100%マッチした情報管理システムを作るなんて不可能です。

はっきり言いますよ?「不可能」です。

限定的に試すことしかできなくて、今後に新しい要望なんかも出てくる可能性がある。

この条件だけでも難易度が高いのに、最初から自社にベストマッチな情報管理システムを作れとか、仮に近そうな機能に関するサンプルコードがあっても実現は無理でしょう。

そのサンプルコードに無料を求めたら実現性は皆無だと言わざるを得ません。

まずは、人間の動きを徹底的にメモしてみる

無理無理言われて、やる気のーなりました・・・という意見も出てきそうですが。

まず、あなたが考えることは、作らないといけない情報管理システムが「いくら」なのかです。

想像じゃダメです。

具体的に作りたいシステムを明確にして、それぞれどんな手順が必要で、どんな情報をどのように管理するのかを明確にしてみてください。紙に書けますか?書けるくらいに具体的になっていれば、金額を出すことはそんなに難しい話ではありません。

まずは、人間の動きだけでいいので、「○○さんが△△からの電話連絡を受けて□□の情報を××にメモする」みたいな感じで、書き連ねてください。

この人間の動きが、しっかり描けないとシステム開発なんてできません。

「人間の動きからシステムの値段を割り出す」なんて、一見関係ないように思うかもしれませんが、前の方で、「情報管理システムは人間の動きをプログラムに翻訳したもの」だという話をしました。

人間の動きを紐解いて、プログラムに翻訳するときの翻訳料が、システム開発の値段です。

ここをしっかり押さえれば、システム開発にかかる時間や作業量なども凡そ目途が付くのです。

騙されたと思って、実際に紙に書いてみてください。

今後の記事に、人間の動きから具体的な金額を弾く方法について書いてみようと思います。

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